幕府遊撃隊の戦い

慶応4年(1868年)3月に西郷隆盛と勝海舟の交渉によって江戸城の無血開城がおこなわれました。

4月11日に徳川慶喜が水戸へ移り、これに不満の榎本武揚は旧幕府艦隊を率いて館山に逃れます。勝海舟は旧幕府軍と新政府軍との衝突を回避する為に説得を行い、艦隊は一旦品川に戻りますが、その後8月19日に奥州、そして蝦夷へと移って新政府軍との戦いを行っていきます。


この間、旧幕府陸軍の大鳥圭介と新選組の土方歳三らが宇都宮城を奪取(4月19日)、福田道直率いる撒兵隊が市川・船橋戦争で敗北(閏4月3日)、上野の彰義隊の壊滅(5月15日)というように、旧幕府軍が新政府軍と各地で衝突していきます。

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その中の一幕として4月28日に人見勝太郎伊庭八郎に率いられた幕府遊撃隊30余名が木更津の請西藩(1万石)を訪れます。


幕府遊撃隊は旗本御家人を中心に編成された部隊で将軍警護を任務とした将軍親衛隊といった存在です。江戸城開城によって遊撃隊は恭順派と抗戦派の2つに別れ、抗戦派は更に彰義隊へ合流したものと江戸を脱出して決起したものの2つに別れます。請西藩を訪れたのは後者になります。

請西藩主の林忠崇は遊撃隊に協力することを決断して請西藩兵を率いて遊撃隊に合流しました。遊撃隊はこのまま房総諸藩を糾合して小田原藩を盟主とした勢力を確立すべく行動を開始します。


請西藩の南にあるのは飯野藩(2万石)、佐貫藩(1万6000石)でした。飯野藩では藩士20名を脱藩させて遊撃隊に参加させます。佐貫藩では尊皇派の相場助右衛門が暗殺され佐幕派の藩士が遊撃隊に協力します。
(参考:To KAZUSA http://kazusa.jpn.org/b/)

遊撃隊は前橋藩の飛び地である富津陣屋を開城させたあとで勝山藩(1万2000石)に迫ります。勝山藩も戦火を避ける為に藩士31名を脱藩させたうえで遊撃隊に合流させます。彼らが妙典寺勝山義士として顕彰されているのです。

館山に到達した遊撃隊は榎本艦隊とともに館山藩を威嚇して館山藩兵も配下に収めます。



こうして勢力を増強した遊撃隊は閏4月12日に榎本艦隊に曳航されて小田原に上陸します。小田原藩は慶喜の身を案じて遊撃隊への協力を拒否、遊撃隊は韮山、沼津を経て御殿場に入ります。ここに徳川家の使者として山岡鉄舟がやってきて新政府との交渉を取り次ぐことになりました。


遊撃隊は甲斐黒駒村に入って山岡鉄舟からの連絡を待ちます。この間に駿府の旗本と岡崎藩からの脱藩藩士らが合流して総数は270名余りに膨らんでいました。


第一軍:隊長人見勝太郎(遊撃隊士)
 一番小隊:勝山藩兵31名
 二番小隊:前橋藩兵23名
 一番大砲隊:遊撃隊14名
第二軍:隊長伊庭八郎(遊撃隊士)
 一番小隊:遊撃隊15名
 二番小隊:駿府勤番兵34名
 二番大砲隊:遊撃隊13名
第三軍:隊長和多田貢(岡崎藩士)
 岡崎藩兵24名
第四軍:隊長木村隼人(請西藩士)
 請西藩兵61名
第五軍:隊長山高鍈三郎(遊撃隊士)
 一番小隊:館山藩兵14名
 二番小隊:飯野藩兵19名
 

この間に上野では彰義隊と新政府軍の衝突が起こり、これに呼応する形で遊撃隊は江戸を目指して進軍を開始します。箱根の関所で小田原藩と戦闘に入りますが、この時小田原藩は佐幕へと方針を転換して遊撃隊と協力することとします。

ところが彰義隊が1日で壊滅したために再び小田原藩が方針転換して新政府側に立ち、5月26日に遊撃隊と小田原藩を含めた新政府軍が激突する事態になります。この戦いで遊撃隊は敗北し、残存兵力は5月28日に榎本艦隊に回収されて館山へ帰還。房総諸藩の兵はここで解散し、それ以外は奥州へと転進していきます。


勝山藩兵は遊撃隊の第一軍一番小隊に配され、先頭の最前線にいたことから戦死16名、戦傷10名、行方不明2名と壊滅状態となり、健在なものは僅か3名。負傷者も含めた13名の生き残りのうち、代表者2名は遊撃隊に従った罪で切腹という悲劇となりました。


歴声庵 箱根戊辰戦争:http://www7a.biglobe.ne.jp/~soutokufu/boshinwar/hakone/hakone.htm



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